「あか(垢)」と「あく(灰汁)」 (004)

 「あか垢」と「あく灰汁」は、語形と意味から(&k)縁語と見られる。ほとんど同語と言ってもよいほどである。

 

 「あか」にはふたつあり、ひとつは「あかまみれ、あかすり」の語があるように人の皮膚についた身体由来の汚れを言うほか、「みづあか水垢、ゆあか湯垢」のように水中に浮遊したり容器にこびりついた水由来の異物をいうであろう。

 

 「あく」は、栗や栃の実が本来的にもつ「あく」や料理で昆布などから出し汁をとる際に取り去る「あく」である。食味を害する苦味や渋味であろう。ところが、栗や栃の実の「あく」抜きには木灰や藁灰を水に漬けたその上澄み液を使うが、それも「あく」と言って「灰汁」と書かせている。実際の現場では何と言っているのか知らないが、言葉の上では「あく」で「あく」を抜くという混乱が見られる。

 

 おそらくア接語「あ+か/く」であろうが不詳である。完