米は、”米つぶ”と言うように穀粒の食料であるが、これを実らせる植物は「yiな/yiね/しね/よな/よね(稲)」で、大陸の南方からこの地にもたらされた。「よね」には通常”米”の字が当てられるが、これは単なる通用である。「yiな/yiね/しね/よな/よね」全体で一語であり、”稲”である。稲の実が米である。「yiね」が原産地かどこか外地の名前なのか、日本に来てからの和名なのかは分からない。だが「こめ」は和語とみて間違いないであろう。では「こめ(米)」とは何か。
「こめ」と言って思い合わされるのは語形や意味の似ている「まめ(豆)」である。両方を比較検討して、「こめ米」は「こ小+め」、「まめ豆」は「ま丸+め」と考えられる。では「め」とは何か。”目”の形に似ているから「目」の意とすることも、”丸”の意とも言えるであろう。すっきり決めることは難しいが、「こ小」と「ま丸」は動かないとして、ここは小さな粒を言う「め」という一拍語であるとしたい。
なお「丸」語については別にまとめて述べた。完