か( )-かた(汚穢)「かたなし(汚シ)」
き( )-きた(汚穢)「きたなし(汚シ)」
く( )-くつ(朽つ)-くたす(朽たす)「朽ち果つ」「しほくつ塩朽」「言ひ朽す」
-くたつ(朽たつ)
-くたる(朽たる)-くたれる「ねくたる寝腐、みくたる身腐」
-くちる(朽ちる)
か( )-かさ(瘡 )
く( )-くす(腐す)-くさす(臭さす)-くささる-くさされる「くさし」
-くさむ(臭さむ)
-くさる(腐さる)-くさらす-くさらせる
-くせ(くせ)-くせむ(臭せむ)「くせもの曲者」
ヤ接:やくさむ(や+くさむ)〔病気になる〕
「くたかけ朽鶏;あくた芥、がらくた、ごみくた、はなくた鼻腐、wuのはなくたし卯花腐」
「かさ瘡、かさぶた瘡蓋;あかがさ赤瘡、いもかさ痘瘡、こせかさ痘瘡、はたけがさ疥瘡、もがさ疱瘡」
「かす滓*粕、さけかす酒粕、はかす歯糟」
「くさ瘡、くろくさ黒瘡、みづくさ水瘡;くさし臭」
「くそ屎*糞、くそへ糞戸、くそまる脱糞、はくそ歯糞、はなくそ鼻糞、みみくそ耳糞、めくそ目糞」
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ここには汚くて臭い語が集まっている。汚く臭い語を表わす(kt/ks)縁語群である。(kt)語群がまずあって、それが(ks)語群に相通語化したと考えられる。これはよくまとまった縁語群の特徴をよく示している。
なお「くづ屑」は、「砕かれたもの、けづりかす」であって、ものが腐ってできたものではない。「くづ屑」は「くだく(砕く)、けづる(削る)」など別項の(kd)縁語群に属する。
完