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わ(誘)-わく(誘く)-わかす
-わかつ(誘惑つ)-わかつる〔あざむきさそふ〕
ゐ( )
wu( )
ゑ( )
を(誘)-をく(誘く)-をかす(誘惑す)-をかさる-をかされる(犯す-犯さる)「かざをき風招」
-をこつ(誘惑つ)-をこつる
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ヲ接語:
をとる(囮る) 〔「をとり囮」は「をとる(を+とる取)」の名詞形で、「を鳥」ではない〕
をがむ(拝む) 〔をかむ(を+かむ屈)〕
をろがむ(拝む)〔「をがむ」の強調形(ラ入語)〕
をびく(誘く) 〔をひく(を+ひく引)〕
そびく(誘く) 〔「をびく」の(w-s)相通語〕
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二拍動詞「わく」と「をく」は、ワ行渡り語で、「わく」にはおそらく単独の用例がないので国語辞典の見出し語には挙げられていない。さらに「わかす」も立項されていないが、あってもおかしくない語形であるので念のためおいておく。どこかに隠れているかも知れない。「ゐ、wu、ゑ」があるかも知れない。
「をく(招く)-をかす(犯す)」がしっくり来ないが、「をかす」は本来はもちろん「誘惑する」の意で、それが一歩先に行って、誘惑した結果「(法を)犯す」意を先取りしたと考えると納得できる。
一連のヲ接語は、”誘う、誘惑する、希求する”の意は一拍語「わ/を」にあり、そのうちの「を」が二拍語の頭に立ったものと考えられる。このように考える限り日国が冒頭で説く「招き寄せる鳥の意の「おきとり(招鳥)」の変化した語」ではなくなる。完
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