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か(掛)-かく(掛く)=かかぐ(掲かぐ)-かかげる-かかげらる-かかげられる
-かかす(掛かす)
-かかふ(抱かふ)-かかはる
-かかへる-かかへらる-かかへられる
-かかる(掛かる)-かからふ「かからはし」(”罹患する”意も)
-かける(掛ける)-かけらる-かけられる(”賭ける”意も)
-かす(課す)(架す)〔労役や税を課す、ケーブルを架設する、など〕
-かつ(担つ)-かたぐ(肩たぐ)-かたげる
-かつぐ(担つぐ)-かつがす-かつがせる「「かた肩」の縁語か」
-かつがる-かつがれる
-かる(掛る)=かがる(縢がる)
-からぐ(絡らぐ)-からがる「こんがらがる」
-からげる「(着物の裾を)からげる」
-からぶ(絡らぶ)
-からむ(絡らむ)-からます-からませる
-からまる-からまれる
-からめる-からめらる-からめられる
この一拍語「か」は、地べたにあるものを持ち上げて宙で処遇することの語群で、自分の肩に”か”けたり近くの木の枝に”か”けると見るのが分かりやすい。しかし上図にあるように、課税や処罰、賭けるのような抽象的な行為もこの”か”で表現していると考えられる。そのことは「かく(掛く/懸く/舁く/賭く/架く)」「かす(課す/科す/嫁す/架す)」等々の多様な漢字表現で示されている。理屈では、これらの行為、行動、動作を一拍語「か」で全てカバーする時代があったことになる。
二拍動詞「かる(掛る)」は今日に伝わらなかった。完