”ない、存在しない”ことを言うカ行渡り語 (107)

「かく(欠く)、きゆ(消ゆ)、くゆ(消ゆ)、くる(消る)、けす(消す)、けつ(消つ)、けぬ(消ぬ)」
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か(欠)-かく(欠く)-かかす(欠かす)
           -かくす(隠くす)-かくさす-かくさせる
                    -かくさふ
                    -かくさる-かくされる
           -かくふ(囲くふ)
           -かくむ(囲くむ)-かくまふ
           -かくる(隠くる)-かくらふ
                    -かくれる
                    -かくろふ
           -かける(欠ける)
           -かこふ(囲こふ)-かこはす-かこはせる-かこはせらる-かこはせられる
                    -かこはる-かこはれる
           -かこむ(囲こむ)-かこます-かこませる-かこませらる-かこませられる
                    -かこまる-かこまれる
き( )-きゆ(消ゆ)-きyeる(消yeる)
く( )-くゆ(消ゆ)
    -くる(消る)-くらす(消らす)
け( )-けす(消す)-けさす(消さす)-けさせる-けさせらる-けさせられる
           -けさる(消さる)-けされる
    -けつ(消つ)
    -けぬ(消ぬ)
こ( )-
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 和人は、物や現象が視界からなくなる、存在しなくなることのさまざまな面を、上図のように、カ行渡り語でまとめて表現した。
 これまた和語の高い論理性を示すひとつの典型であろう。