「かく(駆く/翔く)、かつ(徒つ)、かる(駆る)、きす(来す)、くゆ(越ゆ)、くる(来る)、くwu(蹴wu)、ける(蹴る)、こす(越す)、こす(来す)、こゆ(越ゆ)、こwu(蹴wu)」
--
か( )-かく(駆く)-かくる(駆くる)
-かけす(駆けす)-かけさす-かけさせる
-かける(駆ける)-かけらふ
-かける(翔ける)「かけりyiぬ翔去;あまかける天翔、あまくもかける天雲翔」
-かす(駆す)⇒はす(馳*走)
-かつ(徒つ)「かちゆく/かしゆく、かちさむらひ徒侍、おかちまち御徒町」
-かる(駆る)〔馬を走らせる〕
き( )-きす(来す)-きさす(来さす)-きさせる
く( )-くゆ(蹴ゆ/越ゆ)
-くる(来る)
-くwu(蹴wu)-くゑる(蹴ゑる)「くゑはららかす蹴散」
け( )-ける(蹴る)-けらす(蹴らす)-けらせる「けとばす蹴飛、けまり蹴鞠」
-けらる(蹴らる)-けられる
こ( )-こす(来す)-こさす(来さす)-こさせる
-こす(越す)-こさす(越さす)-こさせる
-こさる(越さる)-こされる
-こゆ(越ゆ)-こyeる(越yeる)「あごye距*足越、ふしこye伏越」
-こwu(蹴wu)-こゑる(蹴ゑる)「あごゑ踞*足蹴」
--
は(馳)-はす(馳す)-はさす(馳さす)-はささく-はささける(「かす駆」の(k-h)相通語)
-はしる(走しる)-はしらす-はしらせる「はしりで/わしりで」
-はする(走する)
-はせる(馳せる)
-わす(走す)-わしす(走しす)(「はしる」の近世的異形という)
-わしる(走しる)
--
サ接:さばしる(さ+はしる)
タ接:たばしる(た+はしる)
--
「ける(蹴る)」は、「けだす(蹴出)」があるように、物を蹴る前に足を出すことを言っているようである。「くる(来る)」は、”行く”に対する”来る”という観念的な捉え方よりも、単に足を前に出す動作と見る方が当を得ているであろう。「くつ(沓)」と「けた(桁)/げた(下駄)」がともに上の動詞図のどこかにに納まりそうである(別の考え方もある)。
「かく駆-かける」と「はす-はしる/はせる」について、「(鹿や猪を追って)野山を駆ける」と言って「はしる」とは言わないところを見れば、まず「かく」があって次いで「はす」が出現したという成立の順序を示すか。音声的にも妥当である。
--
完
コメントをお書きください