動詞図『「かす(貸す)、かふ(交ふ)、かる(借る)』(017)

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「かす(貸す)、かふ(交ふ)、かゆ(換ゆ)、かる(借る)、くふ(交ふ)」

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か(交)-かす(貸す)

    -かぬ(交ぬ)-        ~あかなふ(贖ふ)〔物を買う、金品と罪を交換する〕(ア接)

                    ~あがなふ(贖ふ)〔物を買う、金品と罪を交換する〕

    -かふ(交ふ)=かがふ「かがひ(嬥歌)」

           -かはす(交はす)-かはさす-かはさせる「かはせ(為替)」(買ふ)

                    -かはさる-かはされる

           -かはる(代はる)-かはらる-かはられる

           -かへす(返へす)-かへさす-かへさせる-かへさせらる-かへさせられる「ひるかへす」

                    -かへさふ「たかへす/たがやす田返*耕」「くつがへす」

                    -かへさる-かへされる

           -かへる(帰へる)-かへらふ「ひるかへる翻」「くつがへる」

                    -かへらす-かへらせる

           ~あかふ(あ交ふ)(贖ふ)(異形:あがなふ)〔物を買う、金品と罪を交換する〕

           ~あがふ(あ交ふ)(贖ふ)

           ~たがふ(た交ふ)-たがへる(違ふ)「たがひ(互ひ)」

           ~ちがふ(ち交ふ)-ちがへる(違ふ)「ちがひ(違ひ)」

    -かゆ(換ゆ)-かyeる(換yeる)

    -かる(借る)-かりる(借りる)

き(交)-               ~あきさす(贉す)〔前金を払って買う〕(ア接)

                    ~あきなふ(商ふ)(ア接)

                    ~おきなふ(補ふ)(オ接)

                    ~おぎなふ(補ふ)(オ接)

                    ~おきのる(賖る)〔掛け、後払いで買う〕(オ接)

く(交)-くふ(交ふ)-くはす(交はす)「でくはす(出交す)」

           -くはふ(交はふ)~まぐはふ{まぐはひ(目交)」(マ接)

           -くはる(交はる)~まぐはる

こ(交)-               ~おこなふ(行ふ)(オ接)

 

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 ”交換する”意の語が集まっている。「貸す」と「借る」は、物々交換の両方向の片方だけを捉えていると考えられる。「あき/あきなひ商」「おきのる(賖る)」がここに入ればすっきりするのであるが、「き交」が見つからないので悩ましい。しかしほかにもって行くところがないので、「き交」の存在を想定して取りあえずここにおいて置く。同じく「こ交」を想定して「おこなふ(行ふ)」をここに置く。「おこなふ」の本義は、何でもするではなく、「あかなふ」や「あきなふ」の存在を考慮に入れて、ものの”やりとりをする”意と見たものである。

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