動詞図『カ行、「かく(掛く)、かむ(構む)、かぶ(構ぶ)」』(014)

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「かく(掛く)、かす(架す)、かつ(担つ)、かむ(構む)、かぶ(構ぶ)、かる(絡る)、くす(組す)、くふ(組ふ)、くぶ(組ぶ)、くむ(組む)、くる(組る)」

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か( )-かく(掛く)=かかぐ(掲かぐ)-かかげる-かかげらる-かかげられる

           -かかす(掛かす)

           -かかふ(抱かふ)-かかはる

                    -かかへる-かかへらる-かかへられる

           -かかる(掛かる)-かからふ(”罹患する”意も)

           -かける(掛ける)-かけらる-かけられる(”賭ける”意も)

           ~しかく(し掛く)-しかける-しかけらる-しかけられる(シ接)

    -かす(架す)

    -かつ(担つ)-かたぐ(担たぐ)-かたげる

           -かつぐ(担つぐ)-かつがす-かつがせる

                    -かつがる-かつがれる

    -かむ(構む)-かまく(感まく)-かまける

           -かます(構ます)-かませる(突如異論を提示「一発”かます”」)

           -かまふ(構まふ)-かまはる-かまはれる

                    -かまへる「みがまへる身構」

           -かむく(感むく)-かむかふ-かむかへる(かんがへる考)

    -かぶ(構ぶ)-かばふ(庇ばふ)(「あばふ」「たばふ」の形もあるが不詳)

    -かる(掛る)=かがる(縢がる)

           -からぐ(絡らぐ)-からがる「こんがらがる」

                    -からげる「(着物の裾を)からげる」

           -からぶ(絡らぶ)

           -からむ(絡らむ)-からます-からませる

                    -からまる-からまれる

                    -からめる-からめらる-からめられる

                    ~しがらむ「しがらみ柵」(シ接)

く( )-くす(組す)-たくす(た組す)「(髪や袖を)たくしあげる」

    -くふ(組ふ)「すくふ(巣構)」

    -くぶ(組ぶ)-くばす(配ばす)-くばせる「めくばせ目配」

           -くばる(配ばる)-くばらす-くばらせる「みくまり水配」

                    -くばらる-くばられる

    -くむ(組む)-くます(組ます)-くませる-くませらる-くませられる「めぐむ目組/恵」

           -くまふ(組まふ)

           -くまる(組まる)-くまれる「みくまり水配」

           -くみす(組みす)

           ~たくむ(た配む)(巧くむ)「たくみ巧/匠」(タ接)

           ~めぐむ(め配む)-めぐまる-めぐまれる(「目を配る、目配りする」意)(メ接)

    -くる(組る)-くらぶ(配らぶ)-くらべる-くらべらる-くらべられる

           -くらむ(配らむ)~たくらむ(企む)

           ~たくる(た配る)-たくらむ(企む)〔上項と両方考えられる〕(タ接)

           ~たぐる(た配る)(手繰る)

 

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 ここの動詞群は、物についての動きではなく、本来は心や気持の動きいついて述べていると見られる。「(気に)かける」も「めぐむ(目組む・恵む)」の「くむ」も「気くばり、目くばり」の「くぶ-くばる」も心について言っている。それが、時代が下って、足場を組み上げたり、水を配ったりするように、物についても言うようになったと考えられる。二拍動詞「かる(掛る)」は今日に伝わらなかった。

 

 ”比較する”意の「くる-くらぶ-くらべる」がここに出現したことに注目したい。心を致す意の「かむ、くむ」と同じ意の「くる」は理解できる。そこからさらに心を働かせ、「くらぶ-くらべる」と長語化して意味を「比較」に固定したものであろう。

 

 リスト中「かたぐ、かつぐ」はやや性質を異にするかも知れない。

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