動詞図『カ行、「かく(掻く)、こく(扱く)」』(012)

◆----------

「かく(掻く/書く)、こく(扱く)」

--

か( )-かく(掻く)-かかす(掻かす)-かかせる「書く」

           -かかる(掻かる)-かかれる

           ~あがく(あ掻く)(ア接)

           ~みがく(み掻く)-みがかす-みがかせる(磨く)(ミ接)

                    -みがかる-みがかれる

           ~もがく(も掻く)(踠く)(モ接)

こ( )-こく(扱く)-こきる(扱きる)「yiねこき稲扱、こきばし扱箸」

           ~しごく(し扱く)-しごかる-しごかれる(シ接)

 

--

 「かく」は、何より身体の”痒いところをぼりぼり掻く”の「掻く」が根本的な意味と思われる。次いで堅いもので何ものかの表面を「ひっかく(引掻く)」であろう。これが「(硬筆で)書く」になったと考えられる。筆で「書く」のはその延長線上にあるか。

 

 一方「こく」は、刈りとった「あは粟」や「ひye稗」や「yiね稲」を細い隙間を通して「こき」とる意で、これは「かき」とるとも言えるところから、「掻く」とは動作は大きく異なるが、「かき」と「こき」は(kk)縁語関係と見ることができそうである。

 

 しかしア接語「あかく/あがく」はすっきりしない。馬について「(馬が)あがく(足掻)」は新しい造語として、ここでは考えに入れない。日国の「あがく」の方言欄を眺めると、その中心的な意味は”よく動く”である。むしろ「う-ごく(動く)」の「こく」と縁語関係にある「かく」を想定して「あかく/あがく」を考えた方がよさそうである。しかし「動く」は模写語「wuごwuご」から出た「wuごく」と考えられるので、これも無理である。結局、「掻く」の意を大きく広げるか、むしろ「あ駆く」と見る方が当たっているのかも知れない。

◆----------