動詞図『カ行、「かむ(屈む)、くむ(屈む)、こむ(籠む)」』(020)

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「か/く/こ(凝)、かぬ(屈ぬ)、かふ(屈ふ)、かむ(屈む)、くく(潜く)、くす(屈す)、くつ(屈つ)、くむ(屈む)、こぐ(屈ぐ)、こす(凝す)、こぬ(屈ぬ)、こふ(氷ふ)、こぶ(凝ぶ)、こむ(籠む)、こゆ(臥ゆ)、こる(凝る)、こwu(臥wu)」

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か(屈)-かぬ(屈ぬ)=かがぬ(屈がぬ)-かがなふ(屈なふ/僂なふ)

    -かふ(屈ふ)=かがふ(屈がふ)-かがふる

    -かむ(屈む)=かがむ(屈がむ)-かがまふ

                    -かがまる「ちぢかむ/しじかむ-ちぢかまる/しじかまる」

                    -かがむる(これが「かうむる(蒙る)」に転じたか)

                    -かがめる

           -かまる(屈まる)「わだかまる;かまりものみ斥候、くさかまり草屈、すてかまり捨屈、ふせかまり臥屈」

           -かむる(冠むる)

           -かぶる(冠ぶる)

           ~あがむ(あ屈む)-あがまふ(崇む)(ア接)

                    -あがめる-あがめらる-あがめられる〔身を屈めて相手を上げる意〕

           ~しかむ(し屈む)-しかめる(顰む)

           ~をがむ(を屈む)-をがます-をがませる(拝む)「をろかむ」(ヲ接)

                    -をがまる-をがまれる

く(屈)-くく(潜く)-くくす(屈くす)

    -くす(屈す)=くぐす(屈ぐす)「うちくす打屈」「くぐせ屈背*傴僂」

    -くつ(屈つ)=くぐつ(屈ぐつ)「くぐつ傀儡」

    -くむ(屈む)=くぐむ(屈ぐむ)-くぐまる「くま隈、くみど、くむしら隩区、くぐせ、せくぐまる背屈」

                    -くぐめる

                    -くぐもる

           -くまる(屈まる)「wuづくまる」

           -くもる(隠もる)-くもらふ

           ~すくぶ(す屈ぶ)-すくばる(竦ぶ)(ス接)〔「すこし少」語か〕

           ~すくむ(す屈む)-すくます-すくませる(竦む)(ス接)

                    -すくまる

                    -すくめる

    -くる(屈る)=くぐる(潜ぐる)-くぐらす-くぐらせる

こ(屈)-こぐ(屈ぐ)-こがす(屈がす)-こがせる

           -こぎゆ(屈ぎゆ)-こぎyeる

    -こす(凝す)=こごす(凝ごす)(凍ごす)「にこす煮凍/煮凝」「岩が根のこごしき山に」

    -こぬ(屈ぬ)=こごぬ(屈ごぬ)-こごなる(跼る)「こごなりかがむ跼屈」

    -こふ(氷ふ)=こごふ(凍ごふ)-こごへる

           -こほる(氷ほる)-こほらす-こほらせる「こほり氷」「とどこほる滞」

    -こぶ(凝ぶ)「こぶ瘤」

    -こむ(籠む)=こごむ(籠ごむ)-こごまる「こも薦」

                    -こごめる

           -こまる(籠まる)-こまらす-こまらせる(困る-困らす-困らせる)

           -こめる(籠める)-こめらる-こめられる

           -こもる(籠もる)-こもらす-こもらせる「よごもり夜隠」

                    -こもらふ「こもりく隠国、こもりづ/こもりど隠処、こもりぬ隠沼」

           ~へこむ(へ屈む)-へこます-へこませる(ヘ接)

    -こゆ(凍ゆ)=こぎゆ(凍ぎゆ)〔異形か〕

           =こごゆ(凍ごゆ)-こごyeる

           -こやす(凍やす)「にこやし(煮凍)」

           -こやる(凍やる)

           -こよす(凍よす)

    -こゆ(臥ゆ)-こやす(臥やす)「こyiふす臥伏、こyiまろぶ臥転」

           -こやる(臥やる)

    -こる(凝る)=こごる(凝ごる)-こごらす-こごらせる(こる梱)「こし濃、にこごり煮凝」

           -こらす(凝らす)-こらせる

           -こらふ(凝らふ)-こらへる

           -ころす(凝ろす)

           -ころふ(凝ろふ)「ひころふ孛/火凝」

           -ころる(凝ろる)

           ~しこる(し凝る)「しこり痼}(シ接)

    -こwu(臥wu)

 

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 身を屈する、丸くする意の語群である。寒くなると身が”こごえ”て、身を”こごめ”ることになるが、これらも上記のように寒さとは切り離して、身を丸くする意がまずあったと考えたい。水が固まる、即ち氷になるも同様である。

 

 ここで、上に見るように、三拍語「あがむ(崇む)」と「をがむ(拝む)」が共に「かむ(屈む)」をベースとするア接語、ヲ接語であることに注意したい。このことは、和人が尊きもの(神)、高き人を前にしたときは、相手をもち上げるのではなく、逆に自らを低くすることを意味している。

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