動詞図『カ行、「くす(腐す)、くつ(朽つ)」』(016)

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「かさ(瘡)、かた(穢陋)、きた(汚穢)、くす(腐す)、くつ(朽つ)」

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名詞   かた(穢陋)「かたなし汚」

     かさ(瘡 )「かさ瘡、はたけがさ疥瘡、かさぶた瘡蓋、あかがさ赤瘡、いもかさ痘瘡、もがさ疱瘡」

     かつ(  )

     かす(滓 )「はかす歯糟」

     きた(汚穢)「きたなし汚」

     きさ(  )

     くた(朽 )「くたかけ朽鶏、がらくた、ごみくた、はなくた鼻腐」「あくた芥」(ア接)

     くさ(臭 )「くさし臭;くさ瘡、くろくさ黒瘡、みづくさ水瘡」

く(朽)-くつ(朽つ)-くたす(朽たす)「しほくつ塩朽」「言い朽す」「くたかけ朽鶏、wuのはなくたし卯花腐」

           -くたつ(朽たつ)「わが盛りいたく朽ちぬ雲に飛ぶ薬はむともまたをちめやも(m847)」

           -くたる(朽たる)-くたれる「ねくたる寝腐、みくたる身腐」

           -くちる(朽ちる)「くちはつ(朽果つ)」

    -くす(腐す)-くさす(腐さす)-くささる-くさされる「くさ瘡、くさし臭、くそ屎*糞」

           -くさむ(臭さむ)~やくさむ(病気になる)(ヤ接)

           -くさる(腐さる)-くさらす-くさらせる

名詞   くせ(曲 )-くせむ(臭せむ)「くせもの曲者」

     くそ(糞 )「くそへ糞戸、くそまる脱糞、はくそ歯糞、はなくそ鼻糞、みみくそ耳糞、めくそ目糞」

     こせ(瘡 )「こせ/こせかさ痘瘡)」

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ア接:あか(垢 )(あ+か垢)「あかつく垢附;みづあか水垢、みみあか耳垢、めあか目垢、ゆあか湯垢」

   あく(灰汁)(あ+く滓)「あくをけ灰汁桶」

   あくた(芥)(あ+くた朽)〔日国「あか垢」の語源説欄に『アクタ(芥)の約か〔万葉考〕』説〕

 

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 有機物が腐敗し、悪臭を放ち、身体には瘡蓋ができる一連の状態を言うカ行渡り語である。その時代、鹿一頭を解体しても大量の廃棄物がでるはずであるが、そのまま放置されていたであろう。身体にできたおできは悪臭を放って重症化していったはずである。そのような状況をこの渡り語が表わしているであろう。

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