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● ● ≪わわわ≫ ● ●
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「わ/ゐ/wu/ゑ/を(分)、わく(分く)、さく(裂く)、あく(開く)、わる(割る)、ある(離る)、ゐる(齗る)、wuく(穿く)、wuぐ(穿ぐ)、ゑぐ(刔ぐ)、ゑつ(嘲つ)、ゑふ(酔ふ)、ゑむ(笑む)、ゑる(嘲る)、ゑる(彫る)、をる(折る)、をwu(折wu)」「分割、分断、破断」を言うワ行渡り語群
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わ(分)-わく(分く)=わわく(わ分く)〔細分化する〕
-わかす(分かす)
-わかつ(分かつ)-わかたる-わかたれる
-わかる(分かる)-わかれる(別る)
-わきつ(分きつ)-わきたむ
-わきむ(分きむ)-わきまふ-わきまへる
-わける(分ける)-わけらる-わけられる(別ける)
さ(裂)-さく(裂く)-さかす(裂かす)-さかせる(咲く)(w-s相通形)
-さかつ(裂かつ)-さかたる〔屠つ〕
-さかる(裂かる)-さかれる
-さくむ(万210/971/4465)
-さくる〔地面をくり抜いて水を流す〕
-さける(裂ける)〔「さく(避く)-さける(避ける)」は別語〕
あ(開)-あく(開く)-あかす(開かす)-あかせる(w-&相通形)
-あかつ(開かつ)-あかたる-あかたれる「あかつ分(w-&)、あかちだ班田」
-あかる(開かる)「行きあかる、罷りあかる」(「あかる離」は「かる」のア接語)
-あける(開ける)-あけらる-あけられる
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わ(割)-わる(割る)=わわる(わ割る)「わわらばに」「ことわる/ことわり断*事割」
-わらす(割らす)-わらせる
-わらふ(割らふ)-わらはす-わらはせる-わらはせらる-わらはせられる(笑ふ)
-わらはる-わらはれる
-わらる(割らる)-わられる
-われる(割れる)
さ( )-さる(去る)
あ( )-ある(散る)-あらく(散らく)-あらける
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ゐ(齗)-ゐる(齗る)〔歯に穴が開く(歯が痛む)〕
wu(穿)-wuく(穿く)-wuかつ(穿かつ)「wuかみ窺見(斥候)、wuけくつ穿沓;wuかがふ(窺ふ)」
-wuぐ(穿ぐ)-wuがつ(穿がつ)-wuがたる-wuがたれる「wuげと(穿戸)」
-wuぐふ(墳ぐふ)〔できものがただれる〕
ゑ(彫)-ゑぐ(刔ぐ)-ゑぐる(刔ぐる)-ゑぐらる-ゑぐられる(「くる刳」のヱ接語もある)「ゑぐし笑酒」
-ゑつ(嘲つ)-ゑつる(嘲つる)「ゑつらかす」
-ゑふ(酔ふ)-ゑはす(酔はす)「ゑひさまたる/ゑひさまたごる」(後に「よふ(酔ふ)」に転じたか)
-ゑむ(笑む)-ゑまふ(笑まふ)「ゑまし、ゑまはし」
-ゑる(嘲る)-ゑらく(嘲らく)「ゑ啁*嘲-ゑる嘲ル」「ゑりきざむ彫、くじりゑる彫」《ゑらゑら》
-ゑらふ(嘲らふ)
を(折)-をる(折る)=ををる(を折る)「をりかへす折返;なをり波折」「をの斧、をのと斧音、をのや斧箭」
-をらす(折らす)-をらせる
-をらる(折らる)-をられる
-をれる(折れる)
-をwu(折wu)-をゐる(折ゐる)
分裂、分割、分断、破断、彫刻、離脱、曲折などを言うワ行渡り語「わ/ゐ/wu/ゑ/を」で、きれいにまとまっている。これらの意味は、ワ行音は、これを発音するには口唇や舌を大きく強く動かさなければならないことと無縁ではないであろう。
虫歯の意には漢語「齗歯(ゐし)」「齲歯(うし/wuし)」があり、上記の「齗る(ゐる)」との関係が不明である。「ゑふ」「ゑむ」はいずれも顔面をくしゃくしゃにすることと思われ、漢語「破顔一笑」との偶然の一致がうかがわれる。
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「わ/ゐ/wu/を(居)、わす(坐す)、ゐる(居る)、wuwu(植wu)、をる(居る)」
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わ(坐)-わす(坐す)-わせる(坐せる)
-わる(坐る)〔w-&相通により「ある」に変化したもの〕
ゐ(居)-ゐる(居る)「ゐあかす居明、ゐしづまる、ゐぬ居寝*率寝」
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wu(居)-wuつ(居つ)「つきwu急居、しりかたwuつ」
-wuwu(植wu)-wuわる(植わる)
-wuゑる(植ゑる)-wuゑらる-wuゑられる
す(据)-すwu(据wu)-すわる(座わる)-すわらす-すわらせる-すわらせらる-すわらせられる(w-s相通形)
-すゑる(据ゑる)-すゑらる-すゑられる
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を(居)-をる(居る)-をらす(居らす)-をらせる
全体を通して一所に「人が尻を据える、ものをしっかり置く」であろう。ここで「植wu-植ゑる」と「据wu-据ゑる」が一語で表現されているが、本来は、やはり物を「地面にしっかり置く(据える)」であって、やがて草木を「(地面に)植える」ことにつながったと思われる。
「(草や木を)wu(植)-wuwu(植wu)」「植ゑ木、植ゑ草」などの語の存在から、一拍語「wu(植)」の時代から、栗の木や稗、粟のような有用な草木を野山から引き抜いてきて、それを小屋の周囲など身近なところに”植える”作業を行っていたと考えられる。渇いてくれば水をやったであろう。しもこye(下肥-糞尿)(肥料)の効能にも気づいたに違いない。農業である。遅くとも二拍語の時代には木や草を「植える」こと、即ち農業を確実に行っていた。
木を「植える」作業は、また湯を沸かすために底の尖ったいわゆる尖底土器を火床の中に「据える」(突き刺す)ことと同じと捉えられていた。国語学では「wuゑる(植える)」が先で「すゑる(据える)」が後である。考古学の教えるところによれば、土器の使用は1万6千年前に始まったと言う。
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「わ/ゐ/wu/ゑ/を(唸り声、呻き声)」
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わたく/さたく/あたく わなく/わななく わなる/さなる/あなる わめく/さめく/あめく
ゐたく ゐなく ゐなる ゐめく
wuたく/すたく/うたく wuなく/wuぬぬく wuなる/すなる/うなる wuめく/すめく/うめく
ゑたく ゑなく ゑなる ゑめく
をたく/そたく/おたく をなく/をののく をなる/そなる/おなる をめく/そめく/おめく
和人にとってワ行音は恐怖と向き合った際喉から絞り出す呻き音である。首を絞められたとき苦し紛れに出る音である。それが「わ-さ-あ/ゐ/wu-す-う/ゑ/を-そ-お」であり、きれいな体系をなしている。
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「わく(湧く)、wuる(愚る)、をつ(変若)、をる(愚る)」
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わ( )-わく(湧く)-わかす(湧かす)-わかせる〔湧出する〕「わかし若」
-わかぶ(若かぶ)
-わかゆ(若かゆ)-わかやぐ
-わかやる
wu(愚)-wuる(愚る)-wuるく(愚るく)-wuるける「うるけ、うるけぢ」「wuこ/をこ(愚*痴*烏滸*尾籠)」
-wuろく(愚ろく)
-wuろつ(愚ろつ)-wuろたふ-wuろたへる《wuろwuろ》
-wuろたゆ
-をる(愚る)-をろく(愚ろく)〔朽耄/失意、ぼんやりする〕《をろをろ》
を( )-をつ(変若)〔若返る〕「をちみづ変水」
-をふ(生ふ)-をはる(生はる)
-をふる(生ふる)
-をへる(生へる)
-をほす(生ほす)
-をゆ(生ゆ)-をやす(生やす)(「をやかす」の形も)
小さい、幼い、若い、幼稚、稚拙、粗忽、愚鈍など若さと若さゆえの未熟、愚行を言うワ行渡り語「わ/wu/を」語群である。このワ行縁語群の根源の意味を示す音は「わく(湧/涌/沸+く)」の「わ」と考えられる。「湧き出る」である。湧きたてのものは少なく小さく若く苦い。水が沸騰することを言う「沸く」と地下から水が泡とともに湧き出ることを言う「わく湧」とは同語であろう。またその「わく」から「わかし(若シ)」が出たと考えられる。
これに対し、老化と老年を言う音はア行語、とりわけ一拍語「お」である。「をみな(女)」と「おみな(老女*嫗)」のように「を若」と「お老」は対立を示している。
最後の「をふ(生ふ)、をゆ(生ゆ)」は、現代語では「おふ、おゆ」となっているものを試みに筆者(足立)がもとの音と思われる「を」に戻して、ここに置いて見たものである。うまくおさまっているであろう。
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「わ/を(誘惑)、わく(誘惑)、をく(誘惑)」
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わ( )-わく(誘惑)-わかつ(誘惑つ)-わかつる〔だましてさそふ〕
を( )-をく(誘惑)-をこつ(誘惑つ)-をこつる
-をく(招く)-をかす(誘惑す)-をかさる-をかされる(犯す-犯さる)「かざをき風招」
-をぶ(誘ぶ)-をびく(誘びく)(引く?)
-そぶ(誘ぶ)-そびく(誘びく)(w-s相通形)
「をく(招く)-をかす(犯す)」がしっくり来ないが、「をかす」は本来はもちろん「誘惑する」の意で、それが一歩先に行って、誘惑した結果「(女を)犯す」意を先取りしたと考えると納得できる。
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「わ(輪)、わぐ(輪ぐ)、わぬ(輪ぬ)」
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わ(輪)-わぐ(輪ぐ)-わがぬ(綰がぬ)-わがねる〔輪につくる〕「わげたまる、わげもの綰物」
-わぐぬ(綰ぐぬ)-わぐねる
-わぐむ(綰ぐむ)
-わぐる(綰ぐる)
-わげる(綰げる)
-わごむ(綰ごむ)
-わぬ(輪ぬ)-わなく(経なく)〔首をくくる〕「わな罠、しぎわな鴫罠」
-わたく(経たく)(n-t相通形)
「わげもの」と「まげもの」は、木を薄く削いで丸く成形し底板をとりつけた入れ物である点では同じ物であろうが、言葉の上では別物である。「わぐ」は「輪ぐ」で紐などの両端を結んで「わ輪」のようにすること、「まぐ」は「丸ぐ」で何であれ丸くすることである。
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「わだかまる」「wuづくまる」「をどる(踊る)」
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わ( )-わづ( )「わだかまる」
wu( )-wuづ( )「wuづくまる」
を( )-をづ(踊づ)-をづく(踊づく)
-をどる(踊どる)〔「をどこまる」〕
身を低くする意の(wd)縁語群と考えられる。「をどる(踊る)」も、本来は、自然の驚異の前で身をかがめることから精霊をなぐさめる「をどり」を踊ったことによるか。
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「わする(忘る)、わたる(渡る)、wuせる(失せる)、wuつる(移る)」
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わ( )-わす(忘す)-わする(忘する)-わすらる-わすられる
-わすれる-わすれらる-わすれられる
~たわする(タ接)
-わつ(渡つ)-わたす(渡たす)-わたさす-わたさせる-わたさせらる-わたさせられる
-わたさる-わたされる
-わたせる
-わたる(渡たる)-わたらす-わたらせる-わたらせらる-わたらせられる
-わたらふ
-わたらる-わたられる
-わたれる
wu( )-wuす(失す)-wuさる(失さる)
-wuしぬ(失しぬ)-wuしなふ(失しなふ)」
-wuせる(失せる)
-wuつ(棄つ)-wuつす(移つす)-wuつさす-wuつさせる「映す、写す」
-wuつさる-wuつされる
-wuつる(移つる)-wuつらる-wuつられる「映る、写る」
-wuつろふ
-wuとむ(疎とむ)-wuとまる-wuとまれる「wuとし疎」
す( )-すつ(棄つ)-すたる(廃れる)-すたれる(w-s相通)
-すてる(棄てる)-すてらる-すてられる
ゆ(棄)-ゆつ(棄つ)-ゆつる(棄つる)(「wuつる」の方言的、或いは時代的な異形か)
ここには物や事がどこかへ行く、それらをどこかへ遣ることを言う語が集まっている。ここでの疑問は二拍動詞「わす(忘す)」、「わつ(渡つ)」が見当たらないことである。「wuす/wuつ」が残っているところを見れば「わす/わつ」の消滅には何か理由があるであろう。
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「わぶ(寂ぶ)、さぶ(寂ぶ)、さむ(寒)、しぶ(凍ぶ)、しむ(凍む)」
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わ( )-わぶ(寂ぶ)-わびる(寂びる)「わびし侘、わびうた、わびこと」
-わぶる(寂ぶる)
さ( )-さぶ(寂ぶ)-さびる(寂びる)「さびし/さぶし」「かみさぶ/かむさぶ、をとめさぶ」
~すさぶ(す寒ぶ)「すさび/すさみ、さきすさぶ、てすさび、ふきすさぶ」(ス接)
-さむ(寒む)~あさむ(あ寒む)-あさめる〔寒くする-諫言する〕(ア接)
~いさむ(い寒む)-いさめる〔寒くする-諫言する〕(イ接)
~すさむ(す寒む)(寒くなる)「すさまじ」(ス接)
し( )-しぶ(凍ぶ)-しばる(凍ばる)-しばれる〔体が”しびれる”ほど寒い〕
-しびる(凍びる)-しびれる
-しむ(凍む)-します(凍ます)-しませる
-しみる(凍みる)
”寒冷である、寒冷を感じる”ことをめぐるさまざまな状況を表現していると考えられる。ただ謝罪する意の「詫びる」との関係など、課題も少なくない。
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● ● ≪ゐゐゐ≫ ● ●
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「ゐ/wu(率)、ゐる(率る)」
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ゐ(率)-ゐる(率る)「ゐぬ率宿*率寝、ゐゆく率去、ひきゐる引率」
wu(率) 「ひきwu(引率)」
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「ゐ/wu(齲)、ゐる(齲る)、wuく(齲く)」
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ゐ( )-ゐる(齲る)
wu( )-wuく(齲く)
漢字を見て分かる通り”歯が痛む”である。
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「ゐご/wuご/をご(動)、wuごく(動く)」(wg)
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名詞 ゐご(蠢 )-ゐごく(動ごく)「ゐごゐご」
wuご(蠢 )-wuごく(動ごく)-wuごかす「wuごめく蠢」「wuごwuご」
-wuごかる-wuごかれる
-wuごける
-wuごぬ(動ごぬ)-wuごなふ-wuごなはる〔群がり集まる〕
をご(蠢 )-をごく(動ごく)「をごめく、wuごもつ、wuごもる蠢」「をごをご」
今日運動一般について使われる「うごく(動く)」は、上記の通り蛆虫が蠢(うご)めく様を言う語であった。また二拍語「wuご」がもととなって下方に長語化して「wuぐろもつ(墳)」(もぐら)となり、その後「wuぐろもつ」が逆に縮約して今日の「もぐら」となったとされる。
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「ゐや/wuや(敬*礼)」
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名詞 ゐや(敬 )-ゐやふ(敬やふ)-ゐやはふ「ゐやゐやし恭」《ゐやゐや》
-ゐやぶ(敬やぶ)「ゐやびまつる礼祭」
-ゐやむ(敬やむ)-ゐやまふ
wuや(礼 )-wuやぶ(礼やぶ)「wuやwuやし恭」《wuやwuや》
-wuやむ(礼やむ)-wuやまふ
二拍名詞「ゐや」「wuや」なる(wy)語であるが、それらしい縁語が見当たらない。「わやくちゃ」の「わや」、「wuやむや」の「wuや」、「をやをや」の「をや」などを考え合わせても(wy)語に”敬*礼”の意は出て来ず、むしろ反対である。不詳語である。
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● ● ≪wuwuwu≫ ● ●
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「wuす(倦す)、wuず(倦ず)、wuむ(膿む)、wuる(熟る)」
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wu(倦)-wuす(倦す)「wuさ(憂さ)」
-wuず(倦ず)(「wuんず」の形も)「wuざい、wuざったい、wuんざり」
-wuむ(膿む)-wuます(膿ます)「wuみ膿」
-wuる(熟る)-wuれる(熟れる)
気分が萎えて、或いは腐って、元気をなくしている状態を言うであろう。さらに気分を越えて、身体にできたお出来が化膿する、化膿して「wuみ」が出ることも言っている。そのことは、木の実(果物)が熟すことと同じと捉えられている。
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「wuす(治す)、をす(長す)」
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wu(治)-wuす(治す)-wuさむ(治さむ)-wuさまる
を(治)-をす(長す)-をさふ(抑さふ)-をさへる「をさ長」
-をさむ(治さむ)-をさまる
-をさめる-をさめらる-をさめられる
-をしふ(教しふ)-をしはふ
-をしへる-をしへらる-をしへられる
-をそふ(教そふ)-をそはる
-をしゆ(教しゆ)-をしyeる
-をる(長る)
統治用語であろう。民を導き、おさめる、である。
二拍動詞「をす」は、「をしもの;をすくに食国/くにおす国食;かりをす、きこしをす」などの成句が伝えられているように、”(首長として)治める、統治する”意である。「をすくに」は統治する国、その名詞形が「をさ長」で、「さとをさ里長」「たをさ田長」などと使われている。「をす」には尊敬語として、どうしたわけか、”飲む、食べる”の意があり「をしもの」は食物の意となる。時代別上代編は「wuす」の存在を示唆している。
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「wuな(頸)、wuね(畝)、をね(尾根)」
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wu(峯)-wuな(頸 )-wuなぐ(嬰なぐ)-wuながす(促す)
-wuなげる
-wuね(畝 )-wuなふ(畝なふ)「wuな畝/wuね畝」
-wuねる(畝ねる)「wuねwuね」
を(峯)-をね(尾根)
全体的に「wu/を(峯)+な/ね(接尾語)」の構成と思われる。
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「wu/を(麻*績)、wuむ/をむ(績む/続む)、をる(織る)」
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wu(績)-wuむ(績む)「wuみを(続麻)、をwuみ(麻績)」(續む)
を(績)-をむ(績む)「をみ(麻績)」(續む)
-をる(織る)-をらす(織らす)-をらせる
-をろす(織ろす)〔記仁徳〕
お( )-おる(織る)(w-&相通形/現代語)
「wu/を」は「麻」であり、現代語の「おる(織る)」は「をる(麻る)」である。いつの頃か和人はまず「を(麻)」から「をり(織り)」はじめ、次いで絹や木綿に移っていったのであろうが、「をる(麻る)」は変わらなかった。
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「wu/ゑ(飢*餓)、wuゆ(飢ゆ)、wuwu(飢wu)、ゑる(飢る)、ゑwu(飢wu)」
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wu(飢)-wuゆ(飢ゆ)-wuやす(飢やす)(「wuやかす」の形も)
-wuyeる(飢yeる)
-wuwu(飢wu)-wuゑる(飢ゑる)「wuゑこゆ(飢臥)、いひwuゑ(飯飢)」
ゑ(飢)-ゑる(飢る)「かつwu-かつゑる」
-ゑwu(飢wu)
飢餓の苦しさから出た”wuめき(呻き)”声と思われる。
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「wu / wuら(心情)」
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名詞 wuら(心情)-wuらく(心らく)-wuらかす
-wuらぐ(楽らぐ)-wuらがす
-wuらがる-wuらがれる
-wuらぬ(占らぬ)-wuらなふ
-wuらふ(占らふ)-wuらはふ
-wuらふる
-wuらぶ(寂らぶ)-wuらびる-wuらびれる
-wuらぶる-wuらぶれる
-wuらむ(恨らむ)-wuらまる-wuらまれる
-wuらゆ(羨らゆ)-wuらやむ
-wuれふ(憂れふ)-wuれへる
心、心情を言う一拍語「wu」の存在を証することが課題である。
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「wuるふ(潤ふ)、wuるむ(潤む)」
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wu( )-wuる(潤る)-wuるふ(潤るふ)-wuるほす「wuるwuる」
-wuるむ(潤るむ)
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● ● ≪ゑゑゑ≫ ● ●
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● ● ≪ををを≫ ● ●
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「をしむ(惜しむ)」
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名詞 をし(惜 )-をしむ(惜しむ)-をしまる-をしまれる「をし惜」
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「をす(鞣す)」(ws)
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を( )-をす(鞣す)「をしかは韋/鞣革/柔皮(仁徳紀43年)、かはをし皮鞣」(なめす)
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「をふ(悴ふ)、をゆ(瘁ゆ)、をwu(瘁wu)」
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を(悴)-をふ(悴ふ)
-をゆ(瘁ゆ)
-をwu(瘁wu)-をゐる(瘁ゐる)
-ををる
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「をふ(終ふ)」(wh)
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を(終)-をふ(終ふ)-をはる(終はる)-をはらす-をはらせる
-をへる(終へる)
-をほす(終ほす)
-をほふ(終ほふ)
◆------------
完