「かい(櫂)、かぢ(楫)、ふね(舟)、ほ(帆)」(043)

 

    |  和語        |  琉球・沖縄語     |  アイヌ語       |

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 櫂  |かい          |けー、うぇーく      |★あっさぷ:漕ぐもの   |(kk/k&)

 楫  |かぢ          |かぢ、かづ        |かち、かんち、かんぢ   |(kt/kd)

 舟  |ふね          |ふに           |★ちぷ:乗るもの     |(hn)

 帆  |ほ           |ふー           |かや           |(ho)

 

 

 上記四語のうち明らかに和・琉・ア三語に共通していると見られるものは”楫”を言う「かぢ、かぢ、かち」であろう。アイヌ語「かち」から和語、琉球語の表記「かぢ」(「かじ」ではない)が了解される。だが「かち」とは何か、何でそう言うのかは分からない。今は舟の方向を決める部材、器具の意である。

 

 一方”櫂”の「和:かい、琉:けー」、”舟”の「和:ふね、琉:ふに」はいいとして、アイヌ語ではどちらも本来語とは無関係の造語を当てている。櫂は”漕ぐもの”、舟は”乗るもの”とたいへんすっきりしている。(アイヌ語「ちぷ」については萱野辞典による。)そこには何か物語が隠れていると見て、本来は同じ(kk/k&)語、(hn)語であったものが新造語にとって代わられたと考えておく。二拍語「ふね」は”舟”のほか”容器、水槽、浴槽、酒槽、馬槽、棺桶”等々、方言を含めると数多い意味をもっている。また日国の語源説欄には13説が上がっているが納得できるものはない。

 

 ”帆”についてもひとりアイヌ語が別語をとっている。アイヌ語「かや」は不詳である。余談であるが、南シナ海ではいつ頃舟に”帆”が登場したのか知りたいものである。

 

以上